ホーム > 市政情報 > 広報 > いきいきライフ > 文化財めぐり甲府のお宝み~つけた! > 絹本著色武田信虎夫人像
更新日:2024年4月12日
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武田信虎夫人は、西郡(にしごおり)の豪族大井信達(のぶさと)の娘であったため、通称「大井夫人」と呼ばれています。
夫人の子どもには、信玄、信繁、信廉(のぶかど)や今川義元夫人などがいます。
信虎が信玄によって駿河に追放された後は、髪を切って仏門に入り、躑躅(つつじ)が崎館の北郭(きたぐるわ=御隠居曲輪)に住んでいたことから、「お北様」とも呼ばれていました。
この武田信虎夫人像は、天文22年(1553)の夫人の一周忌に際して、実子の逍遙軒(しょうようけん)信廉によって描かれた母の供養像です。
頭巾をかぶり、法衣をまとった尼僧の姿を描いたもので、慈母の優しく気品のある様子が丁寧に描かれています。
画中には最上段に夫人が詠んだ和歌が載せられ、上の句「春は花秋は紅葉のいろいろも」と、下の句「日かずつもりて散らばそのまま」が色紙型二葉に記されています。その下には、大泉寺住職安之玄穏(あんしげんおん)の賛があり、「信廉公自描慈母之容顔」と書かれ、信廉が母の生前の姿を描いたことがわかります。
信廉は画家としての才能を発揮し、30点余りの作品を残していますが、中でもこの画像は今に残る最も古い作品です。
以後、父・信虎や教えを受けた僧侶の肖像画のほか、高野山に奉納された仏画や兄・信玄の鎧(よろい)不動の図も描いており、戦国時代を代表する武人画家です。
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