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更新日:2023年3月23日

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令和2年12月14日山梨県知事・甲府市長共同記者会見

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日時

令和2年12月14日(月曜日)午後3時50分~

場所

山梨県防災新館401・402会議室

発表事項

  • リニア駅周辺における山梨県と甲府市の連携強化について

発表内容

【知事】

リニア駅周辺につきましては、先月公表した、都市計画区域マスタープラン原案におきまして、広域交流拠点に位置付け、都市計画の方向性を示したところであります。

 

リニア開業効果を地域の発展や活性化に繋げたいという思いは、県と市は全く同じであります。そのためには、緊密に連携して、様々な施策の展開や民間資本を活用していくことで、開発需要や人口の増加を目指し、将来的に新たな市街地の形成に繋げていきたいと考えております。

駅周辺の都市計画につきましては、これまで県と市の連携不足を指摘する御意見もありましたが、今後は、更に連携を強化し、まずは産業系用途による市街化区域拡大の可能性の検討を共同歩調で進めていくことで、県と市が再確認を致しました。

この地域は、様々な機能の立地が期待できるポテンシャルの高い地域でありますので、本県の発展に繋がるよう、県と市が協力して検討して参りたいと考えております。

なお、制度的、技術的な方策は、今後、県と市の事務レベルで、専門家による検討をして参ることになります。

【市長】

私は、リニア効果を最大限に享受するためには、一日も早い「受け皿づくり」が必要と考えてきたところでございます。これまで、「リニア活用基本構想」を策定し、大都市圏からの「企業誘致」と「移住・定住」を重点施策と定めるとともに、「甲府市都市計画マスタープラン」においても、リニア駅周辺を新たに「広域交流拠点」と位置づけ、まちづくりを進めて参りました。

ただ今、長崎知事から「県市連携を強化し、まずは、産業系用途による市街化区域拡大の検討を、共同歩調で進めていく」旨のお話をいただき、今後のまちづくりにおける大変重要な方向性が示され、大変心強く感じております。

その上で、私は、リニア駅周辺に含まれるリニアKSプロジェクトの高室町などの駅近接地域において、民間資本を活用した都市計画を検討していくにあたり、次の3点が今後非常に重要であると考えております。

まず、1つ目としまして、今後の企業誘致の施策展開により、広く地域に貢献できる企業に進出していただくための土地利用方針の決定が必要であります。また、本市では、その地域内に、従業員の皆さま方が快適にお住まいになることができ、店舗等の日常生活の利便施設も立地できる土地利用について提案していきたいと考えております。

2つ目と致しまして、将来的に、事業対象区域内の地権者等の皆さまの同意や民間開発の事業計画の事前協議が整った時点において、県に、新たな市街地の形成に向けた都市計画区域マスタープランの改定を検討していただき、市街化区域の拡大に繋げていきたいと考えております。

3つ目と致しまして、県市が連携した企業誘致を効果的・効率的に推進するにあたっては、総合的な視点に立った企業誘致施策を立案・展開するため、県市の関係部署による「合同担当者会議」の設置が必要でありますことから、先日、知事に要望させていただいたところであります。

今後、地権者や地元の皆さまのご意見・ご意向を丁寧にお聞きする中で、これら3つの点を基軸に、長崎知事、そして県の皆さんと緊密に連携を図り、県民・市民の皆さまからご支持いただけるよう、リニア駅周辺のまちづくりを進めて参りたいと考えております。

発表内容に関する質問について

(記者)

樋口市長にお伺いします。今回、改めて産業系用途での市街化区域拡大における方針を示されたということですが、これまで住民の方々には、住宅系の用途でという説明をKSプロジェクトの中ではされてこられたと思います。住民の方々には今後どう説明をしていきたいかということと、産業系用途で編入されてしまうと、工業団地としての使い方しかできないという見方もありますが、どのように活用していきたいと考えていらっしゃるのでしょうか。

(市長)

私どもは、住民の皆さんと一緒に調査研究をする組織をつくりながら、検討を進めてまいりました。知事から、産業系用途について検討をしていこうという新たなご提案をいただき、居住系を主に考えてきたものでありますけれども、産業系用途の中にも、工業専用、あるいは準工業地域というものがございますので、そういったものを県からのご提案を、さらに事務方が詳しく内容をお聞きする中で、その内容もすでに細かいところは地元の方々には一定程度ご説明しておりますけれども、ご説明をさせていただき、また地元の皆さま方のご意向やご意見やご要望を伺う中で、一緒になって考えていきたいと思います。

(記者)

もう1点伺いたいのですが、企業誘致の方向でということですが、具体的にどこか決まっているというわけではないのでしょうか。

(市長)

これからのことであります。どのような取り組みをして行こうかということにつきましても、これからのことでありますから、しっかりと検討を進めていきたいと思います。

(記者)

お2人に伺います。今日、このタイミングで、この内容の会見を開いたことの意味について伺いたいです。

(知事)

これまで、県議会、多くの皆様、あるいは報道において、山梨県と甲府市が本件でいさかいをしているのではないか、大丈夫かという大変心配をする声が寄せられております。

私と樋口市長の間は全くそのようなことはありません。例えば県と市の幹部でお昼ご飯を食べながら、色々な県政課題、市政課題の会話を交わすようなこともやってきていますが、大変なご心配をいただいているので、なるべく早いタイミングで共同記者会見をして、目指す方向は全く変わらず一緒だということを、お示しをしたいということが、そもそもの目的です。コロナ対応ですとか、事務的に様々なすり合わせるべき点もあったので、その結果、今日になったと私は理解をしています。

(市長)

冒頭申し上げましたように、企業誘致や移住定住につきましては、県も私ども甲府市も、最重要施策のひとつと、それぞれの計画やビジョンの中で謳っています。そういった意味では、知事とは認識を共有させていただいております。その中で、私共は居住系の開発をと。いやそうではなく、企業系の企業誘致の中で、市街化区域あるいは居住を含めた開発ができないかどうか検討していきましょうという、決定権者であります県、知事さんからそういう提案をいただきましたので、この機会が一番妥当かなと思いまして、環境は、今知事さんがおっしゃられたようなこともありますけれども、同じ方向で、同じ歩調でやっていかないと、リニア効果を最大限に利活用できないと私も思っておりますので、今回、こういった形を一緒にとらせていただきました。

(記者)

長崎知事にお尋ねします。(県と市に)いさかいはないということですが、取材をしている印象では、KS(プロジェクト)に基づく市街化調整区域の市街化区域への編入は難しいと6月議会の頃から感じていましたが、その後、対応が少し柔軟になったような印象です。そもそも広げられていた議論なのか、その後何か動きがあってのことなのかお尋ねします。

(知事)

当初は専門家の中で議論してきて、それが知事や市長に上がりという流れだったのだろうと思いますが、県の方も立ちどまって深呼吸をしようよと(いうことになったのだと思います)。

やはり人口が増えて、住宅系で、市街化調整区域を市街化区域に変えれば、それが一番めでたい話ですし、地元の甲府市がそれをやろうとしているわけなので、それはよろしいかと(思います)。

しかし、そこにやはり制度上の制約があり、ステップを踏まないといけません。そのステップとして、まずは産業系で拡大をし、県でも二拠点居住など様々なことで旗を振るわけですが、そこに様々な事業体が集まることで人口増加の目途が立つ、シナリオが描けそうだということになれば、いよいよ最終目標の住宅地系での拡大が可能になってくる。このロードマップを描いて、一緒になってやっていきましょう、何ら我々はぶつかっている話ではないということを、大筋のところで合意して、そこをもう1回出発点にするのが、作業を進める上で一番効率的だということで、県庁内の関係部局も、甲府市も、関係者全員のコンセンサスがつくれたわけです。

要は基本に、原点に立ち返って、この甲府市のこのエリアをいかに活性化させるかというのが、我々の共有する目的だということを、再度確認し合った必然の結果なのだろうと思います。

(記者)

樋口市長に伺います。KSプロジェクトを発表されてから2年くらいで、発表当初から、県側は変更は難しいという見通しを示されていて、結果2年くらい経ってこの場に至るのですが、市として計画の段階での見通しの甘さだとか制度の認識不足だとか、その点についてはどのようにお感じでしょうか。

(市長)

地元の皆さんの御要望や御意見をしっかりと尊重させていただき、そして丁寧に一緒に勉強し、研究し、でき得る開発事業、土地区画整理事業、あるいは地元の皆さんが未来に向けて、自分たちの次の世代がそこで生活できる、そういったことにはどんなものがいいのだろうか、ということで議論を進めきて今日に至っております。その中で先ほど知事さんがおっしゃられたように、なかなか制度上の問題とかで壁があったわけでありますけれども、それを乗り越えてやっていこうじゃないかということでありまして、そのことは地元の皆さま方にも経過を含めてご理解をいただいているのではないかな、と思っております。ですから、産業系のこの開発の中で、どういう優良企業が来てくれるか、あるいは来るためにはどういうことをしていくのかということを、よく県、市、そして地元の皆さんと議論や意見交換をしながら進めていくことが一番良いのではないかということで、今も申し上げていますけれども、これからも地元の皆さんと丁寧に議論を進め、また、一緒にそれに向けて努力していきたいと思っています。

(記者)

地元の方と協議するだとか、そういうのはわかるのですが、要は計画を発表する段階で、甲府市として制度の認識だったり、県との調整だったりというところで見通しが甘かったのではないかという趣旨で質問をしているのですが。

(市長)

どうすれば一番リニア効果を最大限に発揮できるのか。移住定住、企業誘致、そういった総合的に、当初から考えまして、協議を進めてやってきた計画であります。そのことを最大限、また今回の県、市共同歩調でやっていくことにつきましても活かしていくような形で提案をさせていただきたい。また、逆に県、あるいは地元の皆さんから“こうした方がいいじゃないか”ということであれば、それを活かしていきたいと思っています。

(記者)

市としては、県の提案を受けて、市のプランが方針転換されたという認識なのでしょうか。

(市長)

産業系から入っていき、市街化区域に編入をする検討をしていく、ということで話をさせていただいておりますから、そういった意味では変更ではないと受け止めております。また、工業地域なのか、準工業地域なのか、あるいはその他どういう形で入っていくのかということは、これからまたしっかりと検討に入るということでありますから、検討していきたいと思っております。

(知事)

これは、甲府市が作るプランがあって、物事が動き出しているわけです。現状があって、最終段階として人口増、住居系の市街化区域の拡大がある、その間をどういう工程をやっていくかということを、県として整理したに過ぎないわけです。その整理の仕方として、最初は産業系でいき、それに向けて県と市で力を合わせて、色々なものを誘致して、人口が増えることの端緒を作りましょうと。それができれば、いよいよ今度は最終目標の本丸に行けるので、このステップをお互い整理して、合同で作戦を練っているということだと思います。

(記者)

もう一つ、連携の強化ということですが、今まで県と市では連携してこなかったのでしょうか。

(知事)

連携はしてきたのですが、一部の方々には、喧嘩をしているのではないかというような御心配をおかけしていた状態でした。元々連携はしています。

(市長)

どういう手法が一番良いかということで、事務方でなかなか合意が得られなかったと私は理解をしております。目的は同じと、知事さんと認識をしておりますから、それに向けてさらに、今までもやっておりましたけれども今まで以上に連携を進めていきたいと。あるいはお受けいただけるなら、合同検討会議みたいなものを担当者がそういった新しい組織をつくる中で進めていくことがいいのではないかと私は思っております。

(記者)

県がこの産業系の用途での編入を、かなり当初から市の方に“こうじゃなきゃできない”と伝えていたと聞いているのですが、もし連携がしっかりとできていたのであれば、なぜここまでかかってしまったのかということと、今までの住宅系の用途からの編入ではなく、産業系に、なぜこのタイミングで変わったのですか。

(市長)

その辺のことは、事務方のほうで時系列は追っていただきたいのですけれども、以前からおっしゃっていたかどうか私には記憶にないのですが、いずれにしましても、過去のことを言ってもしょうがないのですが、私どもが申し上げていたことを、決定権者であります知事さんや山梨県さんが、“それをやるならば、こういうやり方で一緒にやっていこう”という形のご提案をいただいておりますので、それに向けて協議を進めていきたいと、あるいは私どもの考え方をしっかりとお伝えしていき、一緒に検討していけるということでありますし、そうさせていただければと思います。 

(記者)

今回の変更で、地元をはじめ不利益を被る方はいらっしゃるのでしょうか。

(市長)

検討会、勉強会を一緒に進めてきました。その方々に、ここまでのところ一同に経過報告をさせていただいている限りでは、“じゃあ工業地域、準工業地域ってどういうのかな”、“そういったときにどういう勉強をしたらいいのかな”という声を聞いていると私も聞いておりますので、特に不利益とか利益という話は一切聞いておりません。

(記者)

今後のスケジュールについて、いつ頃までにどういう事をしていくという考えはありますか。

(知事)

諸般の情勢をにらみながら、いつまでにどういう形を目指すのか、甲府市と県ですり合わせをしながらやっていきたいと思いますが、合同の担当者会議は早い段階で設立したいと思います。まず一歩を早く歩み出したいと思います。

議論をした上でスケジュール感は出てくると思います。段取りや米倉山の水素燃料電池などを整理しながら、ちゃんとしたものを作った上で、世の中に公表することがよろしいかと思います。

合同の担当者会議を核としながら様々な議論をして、絵柄も早く示したいと思いますが、いつ何が示されるのかを今話すのは難しいと思います。

 

(以上)

言葉遣いや明らかな言い間違い、言い直しがあったものなどを整理した上で掲載しています。

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