疾患別情報（感染症別情報）

日本では、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律（感染症法）において、感染力と、罹患した場合の重篤性に基づく総合的な観点から、感染症を「一類感染症」、「二類感染症」、「三類感染症」、「四類感染症」、「五類感染症」、「新型インフルエンザ等感染症」、「指定感染症」、「新感染症」及び「疑似症」に分類されています。

一類感染症

定義

感染力、罹患した場合の重篤性等に基づく総合的な観点からみた危険性が極めて高い感染症

代表的な感染症

• エボラ出血熱
• ペスト

二類感染症

定義

感染力、罹患した場合の重篤性等に基づく総合的な観点からみた危険性が高い感染症

代表的な感染症

• 結核
• SARS

三類感染症

定義

感染力、罹患した場合の重篤性等に基づく総合的な観点からみた危険性は高くないが、特定の職業への就業によって感染症の集団発生を起こし得る感染症

代表的な感染症

• コレラ
• 腸チフス
• 腸管出血性大腸菌感染症

四類感染症

定義

人から人への感染はほとんどないが、動物、飲食物等の物件を介して感染するため、動物や物件の消毒、廃棄などの措置が必要となる感染症

代表的な感染症

• エムポックス
• ジカウイルス感染症（ジカ熱）
• デング熱
• 乳児ボツリヌス症
• 黄熱
• 狂犬病

五類感染症

定義

国が感染症発生動向調査を行い、その結果等に基づいて必要な情報を一般国民や医療関係者に提供・公開していくことによって、発生・拡大を防止すべき感染症

代表的な感染症

• 季節性インフルエンザ
• 新型コロナウイルス感染症
• HIV・エイズ
• 麻しん
• 風しん
• ノロウイルス
• RSウイルス
• 梅毒
• ウイルス性肝炎（E型及びA型を除く）

新型インフルエンザ等感染症

【新型インフルエンザ】新たに人から人に伝染する能力を有することになったウイルスを病原体とするインフルエンザであって、全国的かつ急速なまん延により国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあると認められるもの（告示で指定）

【再興型インフルエンザ】かつて世界的規模で流行したインフルエンザであってその後流行することなく長期間が経過しているものが再興したものであって、全国的かつ急速なまん延により国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあると認められるもの（告示で指定）

指定感染症

既知の感染症の中で上記一類から三類に分類されていない感染症において一類から三類に準じた対応の必要が生じた感染症（政令で指定、1年限定）

新感染症

人から人に伝染すると認められる疾病であって、既知の感染症と症状等が明らかに異なり、その伝染力及び罹患した場合の重篤度から判断した危険性が極めて高い感染症（政令で指定）