更新日:2026年1月15日

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2025年度「Can-Pass(キャン−パス)」レポート〜DAY4〜

開催概要

開催日:令和8年1月9日(金曜日)
会場:甲府市役所本庁舎6階大会議室
主催:甲府市
受託団体:任意団体オンテンバール

はじめに

2026年最初のCan-Pass講座は、「資金と経営」という、一見すると少し構えてしまいそうなテーマからスタートしました。
少し緊張気味な受講生に、講座の冒頭で加藤さんがこう声をかけてくれます。
「楽しくなければCan-Passじゃないですよね。お金って、実は面白い。今日は“お金が楽しい”と思えるようなワークをたくさん用意してきました。」
その一言で、会場の空気がふっと和らぎ、受講生のみなさんの表情も少しずつやわらいでいくのが見えました。



「お金の計算、得意ですか?」最初のアイスブレイクは、ハンドサインでの問いかけ。
「お金の計算、得意だと思う人?」「ちょっと苦手かも...という人?」
結果はなんと、約7割の受講生が“苦手”と感じているというリアルな数字に。思わず笑いが起きつつも、「私だけじゃなかったんだ」と安心した様子が伝わってきました。

加藤さんの自己紹介と、事業の原点



ここから加藤さんの自己紹介へ。
加藤さんがNPO活動を始めるきっかけとなったのは、東日本大震災での経験でした。
「今、この時代に本当に必要とされていることは何だろう?」と問い続けながら、ここまでの活動を形にしてこられたそうです。
コロナ禍でのPublic house モモ の取り組みや、aeru workのアイディア紹介からも伝わってきたのは、
『一人で抱え込まないこと』『分け合いながら、みんなでやってみること』
その姿勢そのものが、受講生の心に深く響いているようでした。

ミルクシェークの物語から始まった「視点の転換」

講座の本編は、「ミルクシェークの物語」を題材にしたグループワークから。
・味をアレンジする?
・割引やクーポンを出す?
・PR方法を変える?



さまざまなアイディアが出る中で、加藤さんから投げかけられたのが、次の問いでした。
「今、どんな人がこのシェークを買っているんでしょう?」
ここで、受講生の視点が“プロダクトの眼鏡”から“ジョブの眼鏡”へと切り替わっていきます。
「商品そのもの」ではなく、「その人が、どんな目的・状況でそれを選んでいるのか」。
この視点の転換に、「あ、そういうことか」と腑に落ちた様子の受講生が多く見られました。

4つの資金と売値決め

次に紹介されたのが、NPOやソーシャルビジネスに必要な4つの資金。
どれか一つに偏ると、事業はもろくなってしまう。だからこそ、一つの収入源に頼らない構造をどうつくるかが大切だという話が共有されました。
「資金=お金の話」ではなく、事業の土台づくりの話として語られたのが印象的でした。
続いては、値段決めの話。
「高いけど買う」「安すぎて不安」そんな感覚がどこから生まれるのかを考えることで、価格と価値の関係を改めて見つめ直す時間になりました。

ブロックパズルで“見える化”

ここからは、頭をフル回転のワークが続きます。
まずは、収支構造をブロックパズルで分けてみる練習から。
売上、仕入、粗利、経費、利益。
「わけるとわかる。わかるとかわる。」という今回の大テーマを、まさに体感する時間でした。

練習問題(1)家計管理

最初の題材は、身近な家計の話。
「愛する娘を誕生日にアミューズメントパークに連れていくには、どうお金を捻出する?」という設定に、会場は一気に盛り上がります。
「ここ削れるんじゃない?」「○○で臨時収入を作れそう!」
お金が苦手と言っていた受講生からも笑顔がこぼれ、“お金を考える=楽しくない”というイメージが、少しずつ崩れていきました。
 

練習問題(2)(3)お弁当販売とコーヒーとコーラ

次は、お弁当販売を題材にしたワーク。ブロックパズルを使って、収支の仕組みを体に落とし込んでいきます。
 

ここで新たに共有された視点が、「時間あたりの利益」。
限られた時間の中で、どう売上をつくるか。
特に、家事や育児、他の仕事と並行しながら起業を考える受講生にとって、目の覚めるような視点だったのではないでしょうか。

練習問題(4)幼稚園バザーで利益5万円

最後の大きなワークは、「幼稚園のバザーで利益5万円を生み出す」という課題。
原価100円の出汁をどう使う?何を、いくらで、どんなふうに売る?



グループごとにアイディアが爆発し、会場の空気は最高潮に。
・子どもが「買いたい!」と思うエンタメ性を重視するチーム
・シンプルに仕入れて売るチーム
・親子連れのお腹を満たすメニューを考えるチーム
・利益は幼稚園に寄付するというチーム
さらに、グループの中ではリードして企画を出す人、下調べを支える人、素早く計算する人…
自然と役割分担が生まれていく様子が、とても印象的でした。



最後のチェックアウトでは、「今日の講座を通して感じたこと」をふせんに書き出しました。
「苦手と思っていたけど、これならできそう!」「分けて考えれば、怖くない」
そんな言葉が聞かれ、資金と経営というテーマが、ぐっと自分ごとになった様子が伝わってきました。

『わけるとわかる、わかるとかわる』

今回の講座で加藤さんから繰り返し伝えられたのは、「数字を理解し味方につけることで、行動は変えられる」ということでした。
売上や経費をただ眺めるのではなく、「最終的に、いくら自分の手元に残したいのか」から逆算して考える。
お金の流れを細かく分けて見ていくことで、事業はぐっと現実的になり、続けられる形に近づいていきます。
『わけるとわかる。わかるとかわる。』
今日の学びが、明日の小さな一歩につながっていくことを願う、加藤さんの想いのこもった講座でした。
 

おわりに

こうして、Can-Pass講座も残すところ次回のPRとプレゼン講座と、支援機関との交流会のみとなりました。
次回はいよいよ、ここまで積み重ねてきた想いを「伝える」という形にしていきます。
受講生一人ひとりのストーリーが、どんな言葉で語られるのか。
今からとても楽しみです。

 

 

 

 

※これまでのCan-Pass(キャンパス)の様子など女性の起業等支援についてのページはこちら