更新日:2026年1月28日

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2025年度「Can-Pass plus(キャン-パス プラス)」レポート〜DAY4〜

開催概要

開催日時:令和8年1月23日(金曜日)
会場:甲府市役所本庁舎6階大会議室
主催:甲府市
受託団体:任意団体オンテンバール

オープニング

全4回のCan-Pass plusも、いよいよ最終回を迎えました。これまでの講座を通じて受講生同士の距離が近づき、会場には和やかな空気が広がる一方、この日はそれぞれの事業案のミニプレゼンを控えていることもあり、いつもより少し緊張した表情で準備を進める受講生の姿も見られました。資料を見直したり、話す内容を整理したりと、それぞれ気持ちを整えながらスタートしました。

これまでの第1回から第3回までの学びを整理し、事業づくりに必要な視点を改めて振り返りました。また、ソーシャルビジネスやNPOなどの形態を志す場合には、会費・寄付・助成金・受託など、複数の収入源を組み合わせて事業を設計することの大切さも共有しました。

 

Can-Pass plus卒業生3名との対談

続いて、Can-Pass、Can-Pass plus卒業生3名をゲストに迎え、実体験をもとにした対談を行いました。
「仲間と出会って事業がどう変わったか」「大変な時もなんとかなる、と感じられる自信の土台とは?」「“自分らしい経営”をどうつくったか」など、立ち上げ期の不安や工夫、支援者とのつながり方など、具体的な話が共有されました。受講生にとって、“次の一歩”をイメージするヒントが得られる時間となりました。

1.花園美樹さん(NPO法人 base with Youth 代表)
受講後に法人設立へ踏み出し、学習支援に加えて、外に出にくい家庭・子どもともつながり続ける宅配弁当の活動へ拡大。現場では「正しさ」より「信頼」が大切で、相手に負担をかけず誠実に関わり続ける姿勢が重要だとお話されました。

2.仁平麻美さん(shinotas)
出産期の不安をきっかけに「できる形で支えたい」と活動を開始。衣装制作から、ママや地域がつながるイベント、地域の魅力に触れる取り組みへと段階的に広げてきました。クラファン等も“集めて終わりにせず”丁寧な報告を重ね、信頼を育てている点が印象的でした。

3.齋藤智子さん(任意団体オンテンバール 代表/運営)
受講生から運営、事業受託へと立場が変わっていった経験を共有。「急いで形にする」より、“誰もがやりたいことをやっていいという当たり前の権利”を守ることを起点にする姿勢が、原点を見直すヒントに。プロジェクトは得意の違う仲間で進み、早めに異変に気づき伝える人の存在が事業の継続性を支えると語りました。

支援機関の紹介

次に、甲府市内外の支援機関について、それぞれの得意分野や相談例を交えながら紹介しました。
「どこに相談してよいかわからない」状態をなくし、必要なときに必要な支援へつながるよう、支援の選択肢を整理する時間となりました。

1.一般社団法人 まちのtoolbox 伊藤さん
山梨県内の起業支援に関わり、制度活用の入口から伴走する立場として参加。
「最高すぎて泣きそうだった」という率直な言葉とともに、チャレンジの初期にこそ相談の接点を持つことの大切さが伝えられました。

2.山梨県民信用組合 長谷部さん
金融機関として、想いと熱量を持つ起業家を支援したいというメッセージ。
事業資金に限らず、まずは“事業用口座”を持ち、生活費と分けて管理することが、信用づくりにも継続にもつながる点が共有されました。

3.NTT東日本 笠原さん
Googleマップ設定やSNSなど、情報発信の面から伴走できる支援の紹介。
「やりたいことを“見つけてもらえる形”に整える」支援の重要性が語られ、受講生の今後の発信改善へのヒントになりました。

4.山梨県立男女共同参画推進センター ぴゅあ総合 古屋さん
助成金や制度情報の提供だけでなく、「相談に来た人の活動を理解し、必要な先につなぐ」支援の姿勢が紹介されました。
行政の制度を活用することは“信用力”にもつながり、その後の情報や機会の循環を生むことが強調されました。

5.コワーキングスペースCROSS BE 桐山さん
拠点運営と起業経験の両面から、チャレンジする人が集まり学び合う場の価値が紹介されました。
「やらない理由を並べるより、やる気を持って来てくれれば支援できる」という言葉は、行動の背中を押すメッセージになりました。

6.甲斐の国コミュニティ基金設立準備会 野口さん
これから立ち上がる市民コミュニティ財団として、「事業やチームが成長するタイミングで力を発揮できる存在になりたい」とのご紹介。
行政でも企業でも手が届きにくい“必要なのに続けにくい活動”を、市民の寄付で支える仕組みづくりへの期待が語られました。

 

受講生の事業案発表+支援者フィードバック

後半は、受講生による事業案発表と、支援者からのフィードバックを行いました。プレゼンは、支援者が順番に受講生のもとへ移動し、短いプレゼンを複数回重ねる“プレゼンローテーション”形式に。発表は“上手に話すこと”よりも、「思いが相手に届き、覚えてもらえること」を意識して臨むことを確認したうえで実施。繰り返し伝える中で、支援機関から『4つの不』の視点を交えたフィードバックを受ける度、言葉の選び方や身振り手振り、表情が少しずつ変化し、受講生自身も「1回目より2回目」と手応えを感じながらブラッシュアップしていく様子が見られました。

支援機関からは、顧客視点や強みの整理、値付け・収支の現実性などの観点でコメントが寄せられました。「できていないところ探し」ではなく、「誰とつながると広がるか」「次の一歩をどう踏み出すか」といった視点で整理され、受講生が“次の行動”を描ける場となりました。

チェックアウト

最後に、良かった点(ピンク)・改善点(青)をポストイットに書き出し、隣の受講生と共有する振り返りを実施。学びを言葉にすることで、自分の成長や今後の課題を客観的に捉える時間となりました。受講生には「繋がりたい支援機関」と名刺交換や情報交換を行うことが呼びかけられ、今後につながる接点づくりの場となりました。

まとめ

最終回は、これまでの学びを整理し、先輩の実践談から具体的なヒントを得て、支援機関との接続を確認したうえで、自分の言葉で事業案を伝える実践へとつなげる構成で実施しました。
全4回を通して育まれた安心感の中で、受講生一人ひとりが自分の事業と向き合い、「誰に、何を、どう届けるか」を改めて言語化する機会となりました。
今日で最終回となりましたが、ここからがそれぞれのスタートです。今日生まれたつながりを力に、挑戦が少しずつ形になっていくことを願っています。